組合契約(LPA:Limited Partnership Agreement)とは、投資事業有限責任組合(LPS)の設立および運営に関する基本的なルールを定めた契約書であり、組合設立時にすべての組合員が捺印する、最も重要な書類のひとつです。
法務局でLPSの設立登記申請を行う際にも、この契約書は提出書類の一部として必要となります。
LPAには、組合の存続期間、投資期間、分配ルール、GP(無限責任組合員)およびLP(有限責任組合員)の役割と責任、報告義務、管理報酬や成功報酬といった手数料体系、費用の負担、組合員集会の開催方法、出資持分の譲渡・脱退条件、組合の解散・清算手続などが詳細に規定されています。
実務上は、ファンド組成の初期段階にGPがドラフトを作成し、それをもとにLP候補と協議・調整を行い、内容を確定させる流れが一般的です。
LPAの内容は、ファンドの投資戦略やスキームに応じて柔軟に設計されますが、締結後に変更する際は、存続期間の延長など一定割合のLPの同意で変更可能とする条項も設けられている一方で、組合員全員の同意を要する条項もあります。そのため、締結時には各条項の変更手続きについても慎重な検討が必要です。
なお、経済産業省がLPAのモデル契約書を作成・公表しており、ファンドレイズ時の参考資料として広く活用されています。