ネットIRRとグロスIRRは、ファンドの収益性を評価する際に使われる内部収益率(IRR)の指標ですが、算出の前提や視点が異なります。
グロスIRRは、投資先からのキャッシュフローを基に算出されるファンド全体の投資収益率で、管理報酬、その他の費用を控除する前の数値です。
具体的には、ファンド(LPS)からの投資支出と売却収入のキャッシュフローをもとに計算され、主にGPの運用能力を示す指標として使われます。
一方、ネットIRRは、グロスIRRから管理報酬やその他費用を差し引いた後の、LP投資家にとっての実質的な手取りリターンを示します。
具体的には、LP投資家のキャピタルコールによる支出と分配収入のキャッシュフローをもとに計算され、投資家にとっての利回りとして重視される指標です。
IRRは、単純な数値比較だけでなく、算出方法や前提条件を正しく理解したうえで読み取ることが重要です。