ファンド用語集FUND GLOSSARY

成功時分配

投資ファンドにおいて、一定の収益が発生した場合には、LPとGPとの間で、あらかじめ定めた割合に基づき利益が分配されます。
そのうち、ハードルレート(一定の優先利回り)を超える収益が発生した際に、GPが特別に受け取る利益分配を「成功時分配(キャリード・インタレスト)」といいます。

なお、以前の組合契約ではこのような分配を「成功報酬」として規定しているケースも多く見られますが、会計及び税務上は異なる概念として取り扱われる点に注意が必要です。

■会計上の区分と開示
【成功時分配】
・貸借対照表:出資金の部の「分配金累計額」
・業務報告書:「当期分配金」
・附属明細書:組合員の持分に関する明細内の「当期分配金」、「分配金の明細」
【成功報酬】
・損益計算書:投資原価の内訳「成功報酬」
・附属明細書:「当期中における売却損益・投資償却額の明細」

■税務上の取扱い(個人GPを想定した場合*)
【成功時分配】
GPが「出資者」として受け取る分配金であり、出資持分に基づく分配として扱われます。
一定の要件を満たす場合には「申告分離課税」の適用が可能です。
【成功報酬】
役務提供に対する報酬とみなされ、個人が受け取る場合には原則「総合課税」となります(事業所得や雑所得など)。

*GPが法人の場合はどちらにしても益金となりますので、一般的には論点となりません。

このように、「成功時分配」と「成功報酬」は会計上も税務上も異なる概念であり、区別する必要があります。