シリーズAとは、スタートアップ企業が成長段階で行う、初めての本格的な資金調達ラウンドをいいます。
一般的には、シード（種まき）資金調達の次に位置づけられ、事業の基盤がある程度整った段階で、事業拡大や製品開発、市場投入を加速させる目的で実施されます。
シリーズAの主な投資家はベンチャーキャピタル（VC）で、調達額は数千万円から数億円規模が一般的です。リード投資家は、取締役の派遣などを通じて、経営に一定の関与を行うことが通例です。
この資金調達は、単なる資金供給にとどまらず、経営支援や人脈の提供など非財務的な支援を伴うことが多く見られます。
スタートアップの資金調達は、一般的に以下のような段階に分けられます。
- シード資金：事業アイデアの検証や初期開発段階の資金
- シリーズA：事業の基盤構築および拡大のための資金
- シリーズB：事業のさらなる成長加速のための資金
- シリーズC：規模拡大、新規市場参入、上場準備のための資金
- シリーズD以降：上場延期に伴う資金確保や大型投資案件への対応など、目的が多様化する傾向
※これらの区分や定義は一般的な目安であり、画一的なものではありません。
なお、シリーズAの後、シリーズBに進むには至らないものの、当初想定より資金需要が膨らんだ場合に、同じバリュエーション（評価額）で追加の資金調達を行うケースもあります。
このような場合には、「シリーズA2（Series A2）」や「シリーズAエクステンション（Series A Extension）」といった表現が使われることがあります。
